ピアノのポテンシャルを最大限引き出し、表現力の幅の広いピアノにするための重要な作業。
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アップライトピアノ
アップライトピアノの内部調整内容は
1、ハンマー調整…ハンマーの向き、間隔、静止状態での弦からの距離(ストローク)を整える
2、鍵盤調整…高さ、傾き、間隔を整える
3、ロストモーション調整…鍵盤の奥側の左右、前後、高さを整える
4、レットオフ調整…ハンマーが弦に接近する距離を整える
5、鍵盤深さ調整…鍵盤の下がる距離を整える
6、バックストップ調整…ハンマーが跳ね返り、止まるポイントを整える
7、ダンパー調整…音を止める部品の動くポイントを整える
8、調律、整音…調律をした後、ハンマーの硬さで音質を整える
とあります。一部を画像でご覧下さい(^^)
1 上記作業1
向きも間隔もばらばらな状態のハンマー。まず進む方向を直し、ねじれを取ります
2 上記作業1
あとは弦に合わせて間隔を整えていきますと、このように綺麗に揃います
3 上記作業2
鍵盤上面に定規を乗せて、高さの測定。鍵盤は傾き、高さもばらばら…
4 上記作業2
綺麗になおしていきます
5 上記作業3
鍵盤の奥側。鍵盤をてこで考えると作用点にあたる位置です。この部分の前後、左右、高さを揃え、無駄なく力を伝えるように調整します
6 上記作業5
鍵盤の深さを調整する作業。
1本1本専用定規で測り、揃えていきます
7 上記作業7
タッチ調整最後の作業「ダンパー」
音がしっかり止まるように、またタッチの重さにも
影響しますので、慎重に行います。
8 上記作業8
タッチ調整が終わったら、調律して音を直します。
9 上記作業8
最後は音質調整。このように、
ハンマーに硬化剤を塗布したり、針を刺したりして、ハンマーの硬さを変えることで音質を整えていきます。
グランドピアノ
グランドピアノの内部調整内容は
1、ベッティング調整…筬と棚を合わせる
2、鍵盤調整…高さ、傾き、間隔を整える
3、ハンマー調整…ハンマーの向き、間隔、静止状態での弦からの距離(ストローク)を整える
4、ジャック調整…ハンマーを突き上げる部分の上下、前後位置を調整
5、レットオフ調整…ハンマーが弦に接近する距離を整える
6、鍵盤深さ調整…鍵盤の下がる距離を整える
7、バックストップ調整…ハンマーが跳ね返り、止まるポイントを整える
8、スプリング、ドロップ調整…ハンマーを跳ね上げるバネや、ハンマーの落ちる距離を揃える
9、ダンパー調整…音を止める部品の動くポイントを整える
10、三弦合わせ…3つの弦に同時にハンマーが当たるように調整する
11、調律、整音…調律、整音…調律をした後、ハンマーの硬さで音質を整える
とあります。一部を画像でご覧下さい(^^)
1 上記作業1
グランドピアノはアクション(運動部)と鍵盤が一体となって、筬(赤丸部分)に乗っています。筬はアーチ状になっているため棚と
離れてしまうのですが…
2 上記作業1
ベッティングスクリュー(赤丸部分)で筬を安定させます。
3 上記作業2
鍵盤の下に紙を入れ、鍵盤の高さを調整します。
4 上記作業3
ハンマー調整。基本的にはアップライトピアノと同じなのですが、ねじれを取る際アルコールランプを使います
5 上記作業3
ハンマーの高さがばらばらになっています
6 上記作業3
綺麗に揃えていきます
7 上記作業4
ジャック調整。ハンマーを突き上げる部分(黄色い○)の前後、上下位置を調整します。
位置を正確に合わせることで、芯のある音にできます。
8 上記作業5
レットオフ調整。ハンマーが弦に接近する距離を調整します。適正な位置にすることで、ピアニッシモを綺麗な音に出来ます。
9 上記作業8
スプリング調整。鍵盤の連打に関する作業です。
10 上記作業10
三弦合わせ。中音から先は一つの音に対して3本の弦を使用しています。その3本の弦に、ハンマーが同時に当たるよう調整します。
11 上記作業11
10の作業を行ってから調律をすることでピアノ全身で響くような音を作り出すことが出来ます。
12 上記作業11
最終調整「整音」。このように、針を刺したり硬化剤を塗布したりして、ハンマーの硬さを変えることで音質を整えていきます。