このような修復を行う場合、まずはこの「弦張り」から始まります。なぜかというと、弦の張った
ばかりだとすぐに音が狂ってしまうため、先に弦を張り、納品まで何度も調律を行い安定させる
ためです。
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①弦外し前
元の状態です。
②弦外し前
弦枕フェルト(黄色←)も交換
③弦外し
まずは弦を外していきます。
④チューニングピン外し
残ったチューニングピン・ブッシュも取り除きます。
⑤フレーム外し
フレームを外します。
⑥本体
フレームを外すと、本体はこのようになります。
⑦響板ニス剥離
剥離剤にて、もともと塗られていたニスを剥離いたします。
⑧響板ニス塗り
駒等にマスキングし、ニス(ここではクリア)を塗っていきます。
⑨響板ニス塗り
埃が乗らないよう、乾くまでビニールシートでカバーします。
⑩響板ニス塗り
乾燥しました!とてもきれいです♪
⑪ブッシュ抜き
フレームを外して行うと、非常に楽です。
⑫アグラフ外し
専用のレンチで抜いて、順番に並べておきます。下に入っているワッシャーも重要なので、なくさないように…
⑬フレーム研ぎ
スチールウールで」研いで、汚れを落とし、塗料をのりやすくする「足付け」の効果も。
⑭ヒッチピンマスキング
ストローを使ってマスキング
⑮フレーム…元の状態
元の色です。
⑯フレーム塗装後
スタインウェイ用の金粉を使用しました♪とってもきれいですね(^^)
⑰ ブッシュ穴あけ
新しいブッシュを植え込み、穴をあけていきます。
⑱アグラフ取付
アグラフの高さや向きを調整するため、アグラフ下にワッシャーを入れていきます。高さや角度に合わせて厚さを変えます。
⑲アグラフ高さ、角度調整
ひもをピンと張り、アグラフ面と90°になるよう締めていきます。
⑳チューニングピン
植え込み
新たなチューニングピンを植え込みます。弦枕フェルトも交換
㉑デュープレックス
デュープレックスもきれいに磨いていきます
㉒張弦
コイルの巻き数を揃えて。張った後、コイルやピンの高さを揃えます。
㉓玉作り
芯線は、場合によってはこのようにコイルを作って(玉作り)張っていく場合もあります。
㉔弦張り
完成です!
特殊作業①響棒接着
響棒がはがれている際行う修理。響板・響棒共に貫通する穴をあけ、接着剤を流し込み両面から加圧。あけた穴は埋め木によって塞ぎます。
特殊作業②響板割れ修理
専用の機械にて、割れに溝を作り、同じ素材(スプルース)を埋め木します。
特殊作業③響板割れ修理2
埋め木を削る作業。その後響板とならすため削り、着色して補修跡を目立たなくします。